大麦若葉とケールは、どちらも青汁の原料として知られる緑の葉ですが、植物としてはまったく別の仲間です。大麦若葉はイネ科の大麦の若い葉、ケールはアブラナ科でキャベツの仲間の野菜です。味は、大麦若葉がお茶のようにくせが少なく、ケールは青菜らしい苦みや香りがあるのが一般的な違いです。
この記事では、植物としての違い、味、栄養成分の見方、青汁にしたときの選び方を、文部科学省の食品成分表などの公的な資料をもとにまとめます。
大麦若葉とケールの違いを一覧で比べる
| 項目 | 大麦若葉 | ケール |
|---|---|---|
| 植物の仲間 | イネ科オオムギ属(大麦) | アブラナ科(キャベツ・ブロッコリーの仲間) |
| 使う部分 | 穂が出る前の若い茎と葉 | 葉 |
| 味・香り | 緑茶の粉のような風味で、くせが少ない | 青菜らしい苦みと香りがある(苦みの少ない品種もある) |
| 主な食べ方 | 粉末にして青汁・お菓子・料理に | 粉末の青汁のほか、生の葉をサラダ・スムージー・炒め物に |
| 食品成分表 | 項目なし | 「ケール 葉 生」と「青汁 ケール(粉末)」がある |
同じ「青汁」でも、もとになる植物が違うので、味も、使える料理も変わってきます。次の見出しから、ひとつずつ詳しく見ていきます。
大麦若葉とは:大麦の「穂が出る前」の若い葉
大麦は、麦ごはんや麦茶、ビールの原料になるイネ科の穀物です。農林水産省の品種登録の審査基準でも、大麦は「イネ科オオムギ属」の植物として扱われています。
大麦若葉は、その大麦が穂を出す前に、若い茎と葉を刈り取ったものです。粒(麦)ではなく葉を使うので、食べるときの姿は粉末がほとんどです。大学の研究のまとめでは、刈り取ったあと洗う・切る・加熱する・乾かす・粉にするといった工程を経て粉末になり、緑茶の粉に似た風味の、うす緑〜濃い緑の粉になると説明されています。また、青汁の素材として出回るようになってから30年以上たつとされています。
- 見た目:抹茶に近い明るい緑の粉
- 味:草の青くささや苦みが少なく、お茶のように飲みやすい
- 食物繊維:同じ研究のまとめでは、大麦若葉の粉末は食物繊維をおよそ35〜65%含むとされています(製品や作り方で変わります)
ケールとは:キャベツやブロッコリーの原種とされる野菜
ケールはアブラナ科の野菜で、地中海沿岸が生まれとされています。農畜産業振興機構の資料では、和名を「リョクオウカンラン」「ハゴロモカンラン」といい、キャベツやブロッコリーの原種とされる野菜だと紹介されています。食品成分表でも、別名として「葉キャベツ」「はごろもかんらん」が挙げられています。
日本では、ケールは長く青汁の原料として栽培されてきたため、「苦い青汁の野菜」という印象を持つ人も多い野菜です。一方で、最近は苦みが少なく料理に向く品種も出てきて、サラダやスムージー、炒め物などで生の葉を食べる人も増えています。大麦若葉と違って、粉末だけでなく野菜としても食べられるのがケールの特徴です。
栄養成分の違いはどう見ればよい?
栄養を比べるときに頼りになるのが、文部科学省の「日本食品標準成分表」です。ただし、成分表にはケールの項目はありますが、大麦若葉の項目はありません。そのため、この記事では大麦若葉とケールの数字を並べて「どちらが多い」とは比べません。大麦若葉の栄養成分は、商品のパッケージにある栄養成分表示で確かめるのが確実です。
参考に、成分表にあるケールの数値(100gあたり)を紹介します。
| 成分(100gあたり) | ケール 葉 生 | 青汁 ケール(粉末製品) |
|---|---|---|
| エネルギー | 26kcal | 312kcal |
| 食物繊維総量 | 3.7g | 28.0g |
| カリウム | 420mg | 2,300mg |
| カルシウム | 220mg | 1,200mg |
| β-カロテン当量 | 2,900μg | 10,000μg |
| ビタミンK | 210μg | 1,500μg |
| 葉酸 | 120μg | 820μg |
| ビタミンC | 81mg | 1,100mg |
粉末の数値が大きく見えるのは、水分をとばして100gにしているためです。青汁の粉末を1回に使う量は数gほどなので、実際にとる量は表の数字よりずっと少なくなります。数字の大きさだけで判断せず、1回に使う量で考えるのがポイントです。
青汁にするなら、大麦若葉とケールのどっちを選ぶ?
どちらが「よい」というより、味の好みと使い方で選ぶのがおすすめです。
| こんな人に | 向いているもの |
|---|---|
| 青汁が初めて・苦いのが苦手 | 大麦若葉(お茶のような風味で飲みやすい) |
| お菓子やパンに色と風味を足したい | 大麦若葉(抹茶のような明るい緑) |
| 青菜らしい、しっかりした味が好き | ケール |
| 粉末だけでなく、生の葉も料理に使いたい | ケール(野菜として売られている) |
| どちらの味も少しずつ試したい | 大麦若葉とケールを合わせたもの |
商品を選ぶときは、原材料名で「大麦若葉」「ケール」のほかに何が入っているか(甘味料や香料、ほかの野菜など)、原料の産地、有機JASマークの有無もあわせて見ておくと、自分に合うものを選びやすくなります。有機JASマークの見方は有機JASマークとは?で詳しく紹介しています。
飲みやすくする使い方の例
- 牛乳・豆乳で割る:青くささがやわらぎ、抹茶ラテのような感覚で飲める
- スムージーに混ぜる:バナナやりんごなど甘みのある果物と合わせると飲みやすい
- ヨーグルトにかける:少量から試せる
- パンケーキやクッキーの生地に:大麦若葉はくせが少ないので、色づけにも使いやすい
薬を飲んでいる人は、青汁の前に医師・薬剤師へ
ケールなどの緑の葉には、ビタミンKが含まれています。医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、血液を固まりにくくする薬「ワルファリン」を飲んでいる人について、ビタミンKを多く含む納豆・クロレラ・青汁などは、薬のはたらきを弱めるため摂取を避けるよう指導されることがあると説明しています。
大麦若葉の青汁も緑の葉からつくるものです。病院で薬をもらっている人や、食事の指導を受けている人は、青汁を飲み始める前に、かかりつけの医師や薬剤師に相談してください。
Bio Terrace の大麦若葉・ケールのパウダー
Bio Terrace(ビオテラス)では、九州産の有機大麦若葉を100%使った有機大麦若葉パウダーと、九州産の有機ケールと有機大麦若葉を合わせた有機ケール&有機大麦若葉パウダーを扱っています。どちらも有機JASマークの付いた国産の粉末で、国内の有機JAS認証を受けた工場で袋詰めしています。まずはくせの少ない大麦若葉から、両方の味を試したい人は合わせたものから、と好みで選べます。
まとめ
- 大麦若葉はイネ科の大麦の若い葉、ケールはアブラナ科でキャベツの仲間の野菜
- 味は、大麦若葉がお茶のようにくせが少なく、ケールは青菜らしい苦みや香りがある
- 食品成分表にはケールの項目はあるが、大麦若葉の項目はない。大麦若葉の栄養は商品の栄養成分表示で確かめる
- 青汁は、味の好みと使い方(飲む・お菓子に使う・生の葉を料理に使う)で選ぶ
- ワルファリンなどの薬を飲んでいる人は、青汁の前に医師・薬剤師に相談する
参考にした資料
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(ケール 葉 生、青汁 ケール)
- 農畜産業振興機構「野菜情報」2020年2月号(ケールの話題)
- 農林水産省 品種登録「大麦属審査基準」
- 岡山県立大学 学位論文「大麦若葉の消化管における機能性に関する研究」内容の要旨
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ワルファリンを飲んでいますが、納豆、クロレラ、青汁などの摂取を避けるように指導されました」
