USDAオーガニックとは?有機JASとの違いと日本で「有機」と表示できる条件

地球儀と2つの認証マーク、輸入の箱と書類のイラスト(USDAオーガニックとは?)

USDAオーガニックとは、米国農務省(USDA)の有機の制度「全米有機プログラム(NOP)」の基準どおりに作られたことを、USDAが認めた認証機関が確かめた食品などに付けられる表示です。緑と白の「USDA ORGANIC」のマークが目印です。
日本と米国は、おたがいの有機の制度を同じ水準と認め合っているため、USDAの認証を受けた食品は、決められた手続きで輸入すれば日本でも「有機」と表示して売ることができます。ただし、日本の店頭で「有機」「オーガニック」と名乗るには、有機JASマークが付いていることが条件です。この記事では、USDAオーガニックの意味、有機JASとの違い、輸入食品の「有機」表示のしくみを、農林水産省と米国農務省の資料をもとにまとめます。

目次

USDAオーガニックとは

USDAは米国農務省(United States Department of Agriculture)の略です。米国では、農務省の中の「全米有機プログラム(National Organic Program、NOP)」が有機食品のルールを定めています。日本の有機JASにあたる、米国の国の制度です。

米国農務省の説明では、有機の食品は、資源の循環や生態系のバランス、土と水の質を大切にし、合成された資材の使用をできるだけ減らす方法で作られます。主な条件は次のとおりです。

  • 認証機関の確認:USDAが認めた認証機関の監督のもとで、USDAの有機の規則に従って作られている
  • 使わない方法がある:遺伝子組換えの技術、放射線の照射、下水の汚泥の使用などは認められていない
  • 使える資材が決まっている:使ってよい物質は一覧(National List)で決められている

認証を受けていない事業者は、小規模な事業者の例外などを除き、商品の正面に「organic」とうたったり、USDAのマークを付けたりすることはできません。

USDAの有機表示は4つの段階に分かれる

米国の有機表示は、原材料のうち有機のものがどれだけの割合かによって、書ける言葉が変わります(割合は、水と食塩を除いて数えます)。

表示有機の原材料の割合USDAのマーク
100 Percent Organic100%付けられる
Organic95%以上付けられる
Made with Organic ○○70%以上付けられない(「有機の○○使用」と原材料を3つまで書ける)
原材料欄だけで表示70%未満付けられない(原材料欄で、有機の原材料にだけ「organic」と書ける)

つまり、「USDA ORGANIC」のマークが付いているのは、有機の原材料が95%以上の「100 Percent Organic」か「Organic」の商品です。「Made with Organic」は、有機の原材料を使っているものの、商品全体としては有機とは名乗れない段階です。

有機JASとの違いと共通点

有機JASは日本の農林水産省の制度、USDAオーガニックは米国農務省の制度です。国が基準を決め、国が認めた第三者の認証機関が確かめるというしくみは同じです。違いを表にまとめます。

項目有機JAS(日本)USDAオーガニック(米国)
制度をつくる国の機関農林水産省米国農務省(NOP)
マーク有機JASマークUSDA ORGANIC のマーク
マークの付け方日本で「有機」と表示して売るには、マークが必須マークを付けるかどうかは任意(表示の決まりは守る)
加工食品の表示水と食塩を除いた原材料のうち、有機の原材料が95%以上で「有機」と表示できる95%以上で「Organic」、70%以上は「Made with Organic ○○」と書ける段階がある

大きな違いは、マークの扱いです。日本では、有機JASマークのない農産物・畜産物・加工食品に「有機」「オーガニック」と書くことが法律で禁止されています。一方、米国では、認証を受けた商品にUSDAのマークを付けるかどうかは事業者が選べます。また、米国には「Made with Organic」のような途中の段階がありますが、日本で商品そのものに「有機」と表示できるのは、有機JASの基準を満たしてマークを付けたものだけです。

日本と米国の「有機同等性」とは

国と国の間で、有機の認証のしくみが同じ水準だと認め合うことを「有機同等性」といいます。同等性が認められると、自分の国の認証を受けていれば、相手の国で改めて認証を受けなくても「有機」と表示して売ることができます。

日本と米国の同等性は、2013年9月26日に合意し、2014年1月1日から始まりました。最初は農産物と加工食品が対象で、2020年7月からは畜産物も対象になり、2025年にはお酒(有機酒類)についても合意しています。農林水産省の資料(2026年4月1日現在)では、日本と有機同等性を認め合っている国・地域として、米国のほか、EU、カナダ、台湾、英国、スイスが挙げられています。

USDAオーガニックの食品を日本で「有機」と表示するには

同等性があっても、USDAのマークが付いた食品がそのまま日本で「有機」と名乗れるわけではありません。農林水産省のQ&Aでは、次の条件が示されています。

  • NOPの認証を受けた製品であること:米国で生産されたもの、または米国で最後に加工・包装・表示されたもの
  • 有機JASの認証を受けた輸入業者が輸入すること
  • 米国の認証機関が出す輸出証明書が付いていること
  • 有機JASマークを付けること:日本の輸入業者が付けるか、輸入業者から任された米国の事業者が付ける

このため、日本の店頭で売られている米国の有機食品には、USDAのマークと有機JASマークの両方が付いていることがあります。両方のマークを並べて付けることは認められています。

一方、同等性で日本に輸入できるのは、有機の原材料が95%以上のものに限られます。そのため、米国の「Made with Organic」の加工食品は、同等性を使って日本で「有機」と表示することはできません(ワインには例外があります)。また、はちみつのように有機JASの対象になっていない品目には、同等性で有機JASマークを付けることはできないとされています。

輸入食品の「有機」表示を見分けるポイント

  • 有機JASマークがあるか:日本で「有機」「オーガニック」と表示された農産物・畜産物・加工食品には、輸入品でも有機JASマークが必要です
  • USDAのマークだけの場合:海外で有機の認証を受けていても、有機JASマークがなければ、日本では「有機」として扱われません
  • 「Made with Organic」の表示:有機の原材料が70%以上95%未満の段階で、商品全体が有機という意味ではありません

なお、農林水産省は、輸出しないで日本の中だけで売る商品には、相手の国の有機マークを付けないよう求めています。日本とアメリカの両方の認証を受けているように誤解されるおそれがあるためです。

有機JASマークの意味や、「無農薬」「特別栽培」との違いは「有機JASマークとは?」でくわしくまとめています。

Bio Terrace の有機JASの商品

Bio Terrace(ビオテラス)を運営する IMPLEX株式会社は、有機JAS認証を受けた工場で食品をつくっています。海外で育った原料を使う商品も、有機JASマークを付けて販売しています。たとえば、ブラジル産の有機アサイーパウダー(フリーズドライ)や、日本と有機同等性のあるカナダで育った有機ヘンプシード(麻の実)などです。

まとめ

  • USDAオーガニックは、米国農務省の全米有機プログラム(NOP)の基準どおりに作られ、認証を受けた食品などに付く表示
  • USDAのマークが付けられるのは、有機の原材料が95%以上の「100 Percent Organic」「Organic」の商品
  • 日本と米国は2014年から有機同等性を認め合っており、USDAの認証を受けた食品は決められた手続きで輸入すれば日本でも「有機」と表示できる
  • ただし日本で「有機」「オーガニック」と表示するには、有機JASマークが必要。USDAのマークだけでは「有機」と名乗れない

参考にした資料

あわせて読みたい

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次