ヘンプシード(麻の実)とは?大麻との関係・栄養・食べ方をわかりやすく解説

麻の実の袋と小皿に盛った麻の実、木のスプーンのイラスト(ヘンプシードとは)

ヘンプシードは、麻(アサ)の種子を食べられるようにしたもので、日本語では「麻の実(あさのみ)」と呼ばれます。七味唐辛子にも入っている、昔から身近な食材です。
名前から「大麻と関係があるの?」と心配する人もいますが、食品として売られている麻の実は、発芽しないように処理されたものです。
この記事では、ヘンプシードとはどんな食材か、大麻との関係、食品成分表で見る栄養、毎日の食べ方を、公的な資料をもとにまとめます。

目次

ヘンプシード(麻の実)とは

ヘンプシードは、アサ(学名 Cannabis sativa)という植物の種子です。英語の「ヘンプ(hemp)」は麻、「シード(seed)」は種のことで、文部科学省の「日本食品標準成分表」でも「種実類」の中に「あさ」として載っており、英名は「Hemp seeds」と書かれています。

お店で見かける呼び名や形は、次のように整理できます。

  • 麻の実・おのみ:日本での呼び名。七味唐辛子の材料のひとつとしておなじみ
  • ヘンプシード:英語由来の呼び名。殻付きの実を指すことも、殻をむいた実を指すこともある
  • ヘンプナッツ:殻をむいた中身。やわらかく、そのまま食べやすい

殻をむいた麻の実は、白っぽい緑色の小さな粒で、ごまや松の実に似た、ほんのり甘くて香ばしい風味があります。クセが少ないので、和食にも洋食にも合わせやすい食材です。

ヘンプシードは大麻と関係ある?食べても大丈夫?

「ヘンプシード」と調べると、「大麻」「やばい」といった言葉が一緒に出てきます。麻の実は大麻草と同じ植物の種子なので、気になるのは自然なことです。公的な資料でわかることを整理します。

  • 市販の麻の実は発芽しないように処理されている:文部科学省の食品成分表の解説には、アサは免許を持つ人以外は栽培できないため、発芽防止処理がされたものが市販されている、と書かれています
  • 法律が2024年に改められた:大麻取締法は「大麻草の栽培の規制に関する法律」に名前が変わり、厚生労働省によると、2024年(令和6年)12月12日から段階的に施行されています
  • 製品に残るTHCに上限がある:大麻草に含まれる成分「Δ9-THC(テトラヒドロカンナビノール)」について、製品に残ってよい量の上限(残留限度値)が決められました。上限を超える製品は「麻薬」として扱われ、上限以下の製品は麻薬の規制の対象外です

厚生労働省が示している残留限度値は、製品の形によって次のように分かれています。

製品の形Δ9-THCの残留限度値
油脂(常温で液体のもの)・粉末10ppm(0.0010%)
水溶液0.10ppm(0.000010%)
それ以外のもの1ppm(0.0001%)

つまり、日本で食品として正しく流通している麻の実は、法律のルールの中で売られているものです。購入するときは、販売元や原産国がはっきり書かれている商品を選ぶと安心です。

ヘンプシードの栄養を食品成分表で見る

文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」には、「あさ 乾」(食品番号 05003)の項目があります。主な成分を、可食部100gあたりで抜き出すと次のとおりです。

成分(可食部100gあたり)あさ(乾)
エネルギー450kcal
たんぱく質29.9g
脂質28.3g
食物繊維総量23.0g
カリウム340mg
カルシウム130mg
マグネシウム400mg
鉄13.0mg
亜鉛6.1mg
銅1.32mg
ビタミンE(γ-トコフェロール)22.0mg
ビタミンB10.35mg

この表から、麻の実はたんぱく質・脂質・食物繊維をそれぞれ多く含み、鉄やマグネシウム、亜鉛などのミネラルも含む食材だとわかります。

脂質の中身:リノール酸とα-リノレン酸

同じ成分表の脂肪酸の表を見ると、麻の実の脂質は、多くが「多価不飽和脂肪酸」です。中でも多いのが、n-6系のリノール酸と、n-3系のα-リノレン酸で、リノール酸はα-リノレン酸のおよそ3倍含まれています。どちらも、体の中でつくることができず食事からとる必要がある「必須脂肪酸」に数えられる脂肪酸です。

表を読むときの注意点

  • 殻付きか殻なしかで数値は変わる:成分表の「あさ 乾」は「種子」とされていて、殻の有無は書かれていません。殻をむいたヘンプナッツは、食物繊維などの量が表と違うことがあります
  • 1回に食べる量は少ない:100gあたりの数値なので、大さじ1杯(約10g)なら、その10分の1ほどです
  • 商品の数値は表示で確かめる:実際の商品の栄養は、パッケージの栄養成分表示を見てください

ヘンプシードの食べ方

殻をむいたヘンプナッツは、加熱しなくてもそのまま食べられるのが手軽なところです。いつもの料理に「ふりかける」「混ぜる」だけで取り入れられます。

使い方例
ヨーグルト・グラノーラ上からひとさじふりかける。プチプチした食感と香ばしさが加わる
サラダ葉もの野菜やトマトのサラダに。ごまの代わりに使える
スムージー果物や野菜と一緒にミキサーにかけると、コクが出てまろやかになる
ごはん・和え物ごはんに混ぜたり、おひたしや白和えに加えたりする
スープ・みそ汁食べる直前に浮かべる
お菓子・パンクッキーやマフィン、パンの生地に混ぜる

ヘンプシードオイル・ヘンププロテインとの違い

麻の実からは、ほかにも食品がつくられています。同じ「ヘンプ」でも、使い方が違います。

  • ヘンプシード(ナッツ):実そのもの。食感と香ばしさを楽しめる
  • ヘンプシードオイル:実をしぼった油。ドレッシングなど、加熱しない料理に使われることが多い
  • ヘンププロテイン:油をしぼったあとの実を粉にしたもの。飲み物や料理に混ぜて使う

食べるときの注意点と保存方法

  • エネルギーが高め:成分表では100gあたり450kcalあります。ナッツやごまと同じように、ひとさじずつ料理に足すくらいが使いやすい量です
  • 脂質が多いので保存に気をつける:開けたあとは口をしっかり閉じ、直射日光・高温多湿を避けて保存し、早めに使い切りましょう。保存方法は商品の表示に従ってください
  • 食物アレルギーが気になる人:食べ慣れない食材なので、はじめは少しずつ試し、気になることがあれば医師に相談してください

まずは少量から試してみたいなら、そのまま食べられる有機ヘンプシードの200gが手ごろです。

Bio Terrace の有機ヘンプシード

Bio Terrace(ビオテラス)では、HEMP STYLE(ヘンプスタイル)のブランドで、カナダ産の有機ヘンプシードを扱っています。ナッツタイプの非加熱の麻の実です。有機JAS認証を受けており、保存料・着色料・甘味料は使っていません。ヨーグルトやサラダ、スムージーなどにそのまま使えます。麻の実を粉にした有機ヘンププロテインもあります。

まとめ

  • ヘンプシードは、アサ(Cannabis sativa)の種子。日本では「麻の実」と呼ばれ、七味唐辛子にも使われている
  • 市販の麻の実は、発芽しないように処理されたもの。製品に残るΔ9-THCには、法律で上限が決められている
  • 食品成分表では、100gあたりたんぱく質29.9g・脂質28.3g・食物繊維23.0gを含み、鉄・マグネシウム・亜鉛なども含む
  • 脂質は、リノール酸とα-リノレン酸などの多価不飽和脂肪酸が中心
  • 殻をむいたヘンプナッツは、ヨーグルト・サラダ・スムージーなどにそのまま使える
  • エネルギーが高めなので、ひとさじずつ。開けたあとは光・熱・湿気を避けて保存する

参考にした資料

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